産業医学の復興を目的としている
産業医と関わりの深い団体はいくつかありますが、産業医学復興財団もそのうちの1つです。昭和52年12月に設立されました。産業医学の復興や労働者の健康管理を充実させることを目的としています。
産業医学復興財団では、産業医科大学に対して運営費用の助成を行っています。産業医科大学というのは産業医を育成するための大学です。医師になるためのカリキュラムに加えて、産業医になるためのカリキュラムも組み込まれています。そのため、産業医科大学に費用の助成を行っている産業医学復興財団は、産業医の養成に寄与しているといえるでしょう。
優秀な産業医が多数養成されれば、それだけ労働者の職場環境の向上につながります。労働者が安全で衛生的な環境で仕事を行えるようになるため、社会全体にとってプラスに働くでしょう。企業にとっても、自社の労働者が健康なら利益拡大につながります。そのため、産業医学復興財団が果たす役割は大きいといえます。
産業医学研修事業や講習会などを実施している
産業医学復興財団の主な事業として、産業医学研修事業が挙げられます。産業医の資質やスキルを向上させる目的で行っているもので、当道府県医師会や日本歯科医師会などに委託して実施されています。産業医が各事業所で業務を行うにあたって、研修の内容が活かされる場面も多いです。病気や怪我の治療とは異なる知識が必要になるため、産業医学研修事業を行う意義は大きいでしょう。
また、講習会事業も実施しています。産業医学専門講習会というのを実施しており、これを受講することで日本医師会認定産業医制度における生涯研修20単位を取得可能です。さらに産業保健実践講習会も実施しています。講習内容には実地研修も含まれているため知識だけでなく技術も習得可能です。
そして、産業医学について広く知ってもらうため、「産業医学ジャーナル」と「産業医学レビュー」という定期誌を発行しています。産業医として活躍している医師はもちろんのこと、産業医を探している事業者にとっても役立つでしょう。